Stacks Image 499

45年間に溜まった短歌の様な物が1000首有る、あららき派の歌人達は全く評価して
くれないが、出て来た物は仕方が無いと書き留めた物です。
若い順に成っているはずですが、何度か原稿が散らかったので前後が有るかもしれません。
楽しめる人だけ、楽しんで下さい。

PS、20代の頃の自分の詩は直線的な熱だけの紛れも無いクソ餓鬼の詩でとても可愛いと感じながら、読み返している今の自分がとても可笑しい。




単車によせて・・・


樹々の海 時の重みを侮りて 分別中場 膝擦り小憎

湾岸のスイングトップ旗にして 春駆る一人 HAVE A NICEDAY


日本晴れ 三浦巡ってOVER HEAT イワシのタタキに打つ舌づつみ


我行くは 仏も鬼も不知火の 夢を求めての真一の路


身を伏せて高速の闇切裂いて 旅路の果てに鎌倉の母


梅雨空の雲の切間に解放つ 俺とバイクと潮風と夏


ツーリング 明日の天気願いつつ ヘッド外してタペット調整


ツーリング 緑のきらめき身にまとう 夏の名残は土方焼けの手


紅葉狩り 路面にらんで鬼走り 山みず帰る中央高速

大垂水 見る子走る子危ない子 ローンの愛車コケて壊すな


交差点 ツッパル小憎騒がしい おじさんなめるなゾクのベテラン


星空に走りの予感心地よく 明日の為にとOIL交換


単車乗り 夜半の風を待ちわびて 命削って首都高の王


恋敵 粋に塩など贈れぬが せめて挙げようモーゼルの弾


火ばな吹き滑る愛車を横目でみ 脳味噌加算機こんどの修理費

飛ばしすぎ コーナー誤りハイサイド 八当りする木の葉一枚

チエーン千切れてオイル飛び 医院のベットで夢みる疾走

納車日を指おり数えてバイク待つ 素敵なドラマ はや思いつつ

保険下り エンジン音に急かされて ギブスの足でテストドライブ


隅々にワックス掻けつつ確認す 新車の匂い 胸をくすぐる


チーム引きミラー気になるサーフィンロード 夏雲追って九十九里浜


キック踏むエキゾーストのプレリュード クラッチ繋げは異次元の俺


走り切り 水洗いした我が愛機 チンと小さく鉄縮む音

Stacks Image 508





街燈にひっそり憩う我がマシン 付合うタバコもう一本


ライダーもマシンも共にモンスター 今日の移動は1200キロ


湘南の潮風切り裂き箱根抜け今宵もぶっ飛ぶロケットボーイ


トラブッて 工具広げて見る夕日 今夜野宿と腹を決めつつ


革つなぎタバコもみ消しメット付け 今日も生れる一匹狼


大戦の飛行機野郎の情熱が脈々とする 黒き鉄塊


ベロゼット爆音響かす単気筒 古き輩らの青春思う


きっと乗る 50年後のニューマシン 健康フェチの中年ライダー


ぎりぎりにマシン削って軽量化 速さは俺に何が言いたい


古生代カンブリア紀の生き方が 血潮に潜むピカイヤのchild(子)

 
発進のGに心は赤信号 視界も歪むゼロヨンアタック


追越しは二速落として全開す 軟派な車ミラーの彼方


感覚はどこまで耐える スピードに ととまり知らぬ馬力競争


夏休み 弟誘ってツーリング 海岸までのロードダンサー


高速をダンサー気取ってスラローム 先行く4つ輪パイロンにして


単車二騎 海を惜しんで付く家路 ミラーに夕日共に映して


ガス欠はライダー根性で押しつづけ 朝いち待つは露のスタンド


立ち上がりウイリー覚悟の猛ダッシュ 通い馴れたる碓氷の峠


B阜頭 都会の芥吐出して 夜に集まるロクデナシ達








次は又、掲載します。