美容室から    01.
遊学舍2階の美容師さんは45年も働いたので、パリにもミラノにもニューヨークにも
飽きています。 似た様な事が毎年続き、7年周期のファッション・サイクルも何度目かで、
好きだった遠出仕事も、少々かったるく成ってきました。
キリキリした現場でのやり取りや、センスの異なるクライアントへの譲歩にも飽きてきました。
最近は、近所の若い子に、ハッパをかけ、美容の手の内を教えて変身させて、チョットした
ラッキーやハッピーに、ニッコリ、してもらう位が、手頃に幸せと思い始めました。

そこで、美容の種明かしをし、簡単に&素早く、美人と呼ばれるコツを教えていま。
プロ達が用いるテクの中で、効果的で簡単、単純な物から順番に紹介しちゃいます。 
プロ&アマの差も教えちゃいます。
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遠征にも使われた年期の入った美容道具。
パレットには油絵の道具の様に、親指の穴が開けられ、ファッションショウやロケ現場の忙しさに対応してきた品です。
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プロとアマチュアの大きな違いは、道具の量と質、知識の蓄積に対する心構えです。
プロは、施術対象の数も多く、注文要求の内容もまちまちです。それらに対応する為の
道具立ては、必然的に多く成ります。一般のヘアメイクさんの持ち歩く、大きなバックの
中身は2〜300万円の美容関連グッツが入っている物なのです。
モデルや、美容顧客は、圧倒されてしまいますが、現場単体で考えれば、塗る口紅は一色で、
使うハサミは、1〜2本です。現場把握がきっちり出来ていれば、ウエストポーチ一つで商売は
出来るのですが、それでは多額の技術料を請求しにくく、クライアントも納得しません。
そこで現実は、楽屋に盛大に化粧品が並びます。
繰り返し使われる、刷毛類やハサミ類は、使い勝手の良い耐久性のある物が選ばれます。
また、コットン、ペーパー等消耗品は経済効率とブランドレベルを考慮した使い捨ての品々が
使われます。

生業でしている美容業者は,次の仕事を有利に、能率的にする為に、一回ごとのキャリアを
大切にしてより強い仕事人に成ろうと、技や知識を蓄積して行きます。

アマチュアは、一般的な話ですが、自分をより奇麗にして行きたい、美しく見られたいと
言う情熱的で貪欲な願望を持ちながらも、目標と現状の間を考える事無く、難しい、分かんない、
道具が無い、元が違う、等々、やらない理屈、出来ない理屈を探して、不満たらたらの現状を
変えないでいます。 大半の人は情熱に蓋をして、ゆっくり冷まして仕舞って居て、変わらないで居ます。 
当店にも,20年間「痩せたいの」「化粧が覚えたぁ〜い」と言っている客が居る。
「女やって、何年に成る」「何年 女やってんだ」 僕が言う。
      - 叔父さんと伯母さんは教育できないので放ったらかして置きましょう -


若い子(決して年齢では無い)は、たった一人の自分の為に、立派な専属美容師に自分が成りましょう。
 現場は一つ、モデルは一人、制作時間は無制限。  圧倒的にブロより有利です。 素人無敵。

次は、実践編