美容室から   05        ベースメイク  物の形と陰影
メイクアップの色物化粧品は、皮膚にとって油汚れにすぎず、カラフルな油汚れだと理解しましょう。
収斂化粧水や、ベースクリーム・下地クリームは皮膚保護の為の必要不可欠で、手抜きは禁物です。各メーカーが多数の商品を発売して、各社なりのアピールをしています。 日本の製品は日本人向けが多いのですが、確認はして下さい。
外国の製品は、国ごと人種ごとに生活習慣や皮膚の状況が違うので一概には言えません、少量使ってみて、合う合わないを比べて下さい。パッチテストをするつもりで良いです。
皮膚の保護が済んだら、いよいよメイクアップベースを塗ります。
ベースによる、着彩は肌感を整えたり、顔色を良く見せたりする物ですが、同時に、目の錯覚を利用して顔型のを変えてみせる効果も有ります。鼻を高く見せる、顎線をシャープにする等の事が出来ます。絵を描く時には3Dの世界を2次元面で表現するので、突出物の明るさや艶、引っ込んでいる所の陰や暮焼け感を表現し立体感を出しますが、同じ手法がメイクアップにもにも使えます。顔は3次元曲面なので既に陰影が有るのですが、明るい面を増やしたり、陰の稜線の位置を変えたり、影を濃くしてより深さを増したりします。講義の最初に調べた顔の歪みにも対処出来ます。
ですから、ベースは自分の顔色に近いカラーを中心に、2トーン離れた明るい物と暗いものの3色を用意します。
通常、額・鼻梁・顎先は明るく見える所なので、平面的な顔型の東洋人には明るいベースを塗ます。
上まぶた・鼻梁の脇・顎の両サイドは、暗い色を置きます。残りには中心色を塗ります。
他人からの視線は全方向からですし、活動の中で頭部は良く動かしますから、3色のベースはよく馴染ませておかないと、デーモン小暮に成ってしまいます。ですが、丁寧にぼかしてさえ於けばスッピンの美人さんです。
手法としては、置いた3色のベースを明るい方から、美容師達がトーフと呼んでいる海綿でぼかして行きます。
暗い方から始めると影が間違った側に色が混じり込んで、目論みが達成出来ないので注意して下さい。
丁寧にぼかし終えたら、確認して下さい。 手鏡もって部屋のいろんな場所へ行って、見て下さい。
電灯・蛍光灯・自然光、光によって色味の見え方は違います。
一流劇場の楽屋に有る鏡前の照明装置を個人で使っている人は良いのですが、普通のドレッサーにはどこにも影の出来ない様に、沢山の光源を持った照明装置は付いていません。面倒でも色々検証して下さい。  
本当の影と狙って付けた影が、何所から見ても、巧く馴染んでいましたか。  
問題を見つけたら、トーフで叩いてぼかして下さい。  ノーズシャドウ等の追加するのも良いでしょう。

せっかく巧く付いたベースがズレ動いたりしない様に、フェイスパウダーを塗布します。
少々多めに付けて、フェィスブラシで入念に掃き取ります。 皮膚小陵の天辺が少し出るくらいで、より素肌にみえます。
細かな霧を噴霧して、より馴染ませるのも良いでしょう。30秒ほど置いてからティシュを置くだけ、擦らないで、余分な水分を取ります。 此のフェイスブラシを掛けて居る時は気持ちが良いので、ついでに、魔法も掛けます「いい女に成ります様に・・・」
フェイスブラシは重要なアイテムです、一本は気に入った物を用意しましょう。蝦夷栗鼠のしっぽの毛が良いと言われています。

いよいよポイントメイクです。
何所から描いても良いのです。好きな口紅を最初に付けて、周りを合わせて行く方法も有ります。
最初なので、触っちゃった手のひらの紅で、ほほを汚さない様に、上から順に仕上げて行きますか。

眉、
顔全体の表情・性格を決めてしまう大きなパーツで、誤摩化しの効かない部分です。前もって刈り込んだり、剃ったり、抜いたり、下仕事はして於きましょう。 多数の太い体毛で出来ている部分で、生えている位置の調整が、全体の濃さや、毛流れに影響して、一本抜いただけで大きく印象が変わってしまう事も有るので、一本、一本を大切に調整します。
下処理では、アイブローブラシで充分に毛流れを整えた後、ペンシルで希望の形を描いてみて、余分な所を刈り込み&脱毛しておく、全体の濃さを見ながら、濃すぎる部分は表面の毛を刈り込む事で調整します。
形については、顔型や個人のキャラクター等を考慮すると、色々有りますが、先ずは目尻3分の1が高いなだらかなアーチ型から練習して下さい。 描きにくい側から描いて描きやすい側で合わせ付ください。 ペンシルの先を細くして、眉毛一本ずつを書き足すつもりで描いて、重ねて行って下さい。
眉全体の形で表現する性格は色々有りますが、少女漫画のキャラクターを参考にしてみて下さい。極端な例が沢山有る様です。風水等でも色々言っていますので、ネットで検索して下さい。
目と眉が離れて気になっている人は、眉の下端を強めに描いたり、離れ過ぎの目を、眉頭の間を狭くして目立たなくする等のチョッとしたイカサマにも眉メイクは使われます。
眉尻の扱い方も重要で、威勢良く上げた眉山への線をなだらかに下ろして、柔らかさを加味し、激しさと優しさのバランスを持たせたりもします。  美人のイラストの横顔を見て下さい。眉尻は目尻より後ろまで描かれています、これは横から見る人へのサービスです。
真正面から見ていてのメイクだけでは足りないのです。
他人を見て、可愛い、かっこ好いと思う時、真正面からの視点ですか。斜め上からだったり、もっと横からだったり、様々です。 真正面で対峙するのは、真面目な議論をしているとき、喧嘩になった時、愛し合って見つめ合った時、大事な瞬間ですが、ふっと気になってしまう、他人からみた視線のアプローチは、真正面の顔ではない事の方が多そうです。
横顔で掴んで、正面で勝負です。横顔も手を抜かないで頑張っときましょう。

自分の顔の正面はイメージしていても、左右に振られた時、上下・斜めに視点を動かしたときの顔をイメージ出来る人は
とても少ない物です。立体として自分の顔を理解して下さい。   

車だって、正面だけ格好よくても、サイドビューやリアスタイルが良くないと売れません、性能が良くても名車の仲間入りが出来ません。

次はアイメイク                                      次ペイジへ